健康保険加入者
健康保険は会社勤めの方が加入する公的医療保険です。
協会けんぽや、企業が自主的に運営している健康保険組合などがあり、保険料は従業員と会社が折半しています。
ではこのようなケースの場合
会社員Aさん(年収500万円)
がんで1ヶ月間(1日~30日)入院、手術
全て保険適用の治療
入院中は大部屋利用
治療にかかった費用は100万円とします。
退院の際、Aさんが負担する費用はいくらでしょうか?
87,430円です。
日本人みんなが加入している公的健康保険には、「高額療養費制度」という負担額を抑える仕組みがあります。
※年齢、所得によって限度額は異なり、食事代や差額ベッド代は別です。
半年入院が続いてしまった場合は、単純計算で約9万円×6ヶ月=54万円の自己負担です。
また、健康保険組合によっては独自に付加給付を行なっているところもあり、さらに自己負担額は少なくなります。よっぽど個室で差額ベッド代などがかからなければ、1ヶ月あたりの治療費は意外と少ない自己負担額で済むことになります。
ただ、こんな心配もあるかと思います。
入院期間中の収入はどうしよう...
そんなときは「傷病手当金」があります。
病気やケガの療養のため仕事を休んだ日から連続して3日間(待期)の後、4日目以降の仕事に就けなかった日に対して、給料の2/3が支給される(最長1年6ヶ月)
病気やケガで長期間仕事ができない状況というのは大変ですが、金銭面では国の制度で守られている部分も大きいです。
民間等の医療保険に加入される場合は公的健康保険でカバーできる金額もぜひ考慮ください。
国民健康保険加入者
自営業の方や健康保険等に加入していない一般の方が加入する公的医療保険です。市区町村が運営を行っていて、保険料は全額自己負担となります。
会社勤めの方が加入する健康保険との違いは「傷病手当金」がないことです。
自営業の方は、病気や怪我で働けなくなっても何も支給されませんので、何かしら手立てを考えておく必要があります。商工会議所などの休業補償プランなどを利用するのも1つの方法です。
まとめ
健康保険 | 国民健康保険 | |
対象者 | 会社員・公務員 | 個人事業主 |
医療費の自己負担 | 3割 | |
高額療養費制度 | あり | |
傷病手当金 | あり | なし |
出産一時金 | 42万円 | |
出産手当金 | あり | なし |
保険者 | 健保組合・協会けんぽ | 市区町村 |
保険料の支払い | 会社と折半 | 全額自己負担 |
家族が増えた場合 | 保険料変わらず | 保険料増える |